当科入院患者は肺炎が最も多く、心不全、脳梗塞(急性期)、認知障害と続きます。併存疾患は高血圧に認知障害、便秘、心不全、骨粗鬆症、肺炎と続きます。近年、特に心不全症例が多くなっています。
外来延べ患者数 6,386人 入院患者数 240人 平均在院日数 23.5日 (2019年度)
図.入院患者の主病名
下の表は、入院患者の主疾患・併存疾患です。多様な疾患を扱い、経験値を一気にアップ。内科専門医取得に必要な症例のうち、多くを経験できます。
表. 入院患者の主疾患・併存疾患
図.入院患者の併存疾患
(データはいずれも2018.1-6月実績)
2020年度は診療科QI(臨床指標)を入院患者の転倒と、地域連携に設定、四半期毎で算出しました。地域連携については新型コロナウィルス感染症の影響を大きく受けました。地域の医療機関を後方支援できるよう2021年度は一層、地域連携に努めます。
指標1-1 転倒率(分子:転倒数、分母:のべ入院患者者数
2020年度
2021年度
指標2-1 他医療機関からの紹介
(2019年度実績比)
2020年度
指標2-2 他医療機関への紹介
(2019年度実績比)
2020年度
2021年度
2021年度
Comprehensive Geriatric Assessment
高齢者総合的機能評価
主疾患だけでなく、ADLや認知機能、社会的環境等を包括的に評価し、プロブレムリストを挙げ、介入を考えることは、老年内科の中核的スキルです。高齢になるほど増える併存症(multi-mobidity)にも対応します。
Frailty, Sarcopenia
フレイル・サルコペニア
フレイル・サルコペニアは要介護リスクであるばかりでなく、主疾患の経過に大きな影響を与えます。フレイル・サルコペニアにも配慮した患者評価を行い、必要な介入を行います。
Dementia
認知症
適切な診断と薬物治療のほか、BPSD(問題行動)の評価や非薬物的治療、療養相談、地域との連携など、広い関わりが当科の特徴です。
Nutrition
栄養
低栄養は高齢者の予後に与える大きな危険要因です。当科 葛谷教授をリーダーとし、院内NST(Nutrition Support Team)が活動しています。
Polypharmacy
多剤併用
合併症を多く持つ高齢患者さんでは、薬の多剤併用は重要な課題です。総合評価のもと、薬の必要性、優先順を考慮します。
Discharge planning
退院支援
患者さんの適した療養場所、退院支援、連携を支えます。当院でこの通信となるのは地域連携・患者相談センターで、当科の葛谷教授がセンター長、鈴木裕介准教授が副センター長を務めています。
End of life care
エンド・オブ・ライフ・ケア
意思決定能力を適切に評価し、ご本人のValueを大切にして(Value based Practice)、ACP(Advance care planning)を支援するなど、End of lifeを支えます。
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