高齢者医療のエクスパートが必要だ。

高齢者医療のエクスパートが必要だ。

高齢化の諸問題に、専門家として、真摯に向き合う医師が。

われわれには、健康寿命の延伸につながる医療を追求し、より良い社会環境をつくる使命がある
世界でも稀にみる高齢社会となる日本において、最も求められている高齢者医療・老年医学。これこそが、「地域在宅医療学 老年科学教室」が取り組んでいる領域です。健康寿命の延伸につながる医療の追究と、その根拠を基盤とする社会環境の構築こそが、我々に課せられた使命であると考えています。当教室が産声を上げた1979年当時は動脈硬化の研究の必要性が叫ばれていた時代です。その後、当教室では、糖尿病をはじめ、認知症、栄養障害、サルコペニア・フレイルなど、様々な疾病、老年症候群が社会問題になることを予測し、研究領域を広げてきました。また「地域在宅医療」にもいち早く着目しており、現在は「地域包括ケアシステム」の構築に向けて、地域中核病院や開業医などと協力して、より良いシステムについても研究しています。
高齢者特有の医療・生活環境が、老年内科ならではの独自性を生んでいる
高齢者医療は多くの点で一般成人に対する医療と異なる点があります。疾患に関しては、多臓器にわたる疾患が認められ、症状が非定型的であり、機能障害につながる場合が多いなど高齢者特有の特徴があり、診療に際しては横断的かつ包括的な医療が求められます。既に回復不能な身体機能障害、認知機能障害を持つケースも多く、それらの高齢者は明らかに人生の終末に近く、成人と同様の医療を行うことは困難な場合もあります。また、病気の治癒を目的とすることで、他の機能に悪影響を及ぼし、結果として健康寿命を縮めてしまうことを避けることも、老年内科として重要視すべき点であると考えています。つまり、特定病因論に基づく、原因が判れば病気は治癒できる、という「医療モデル」は、もはや無数の慢性疾患、加齢、環境、心理的な要素が合わさって構築される疾病、障害を抱える高齢者に対しては適応できないのです。その意味で老年医学および高齢者医療は独自の領域といえます。
​社会貢献に値する研究テーマがあり、多臓器への理解など、あらゆる診療科で必要となる能力が身に付き、その先進性と多様性を求める医師が集まる拠点
当教室は地域が求めている高齢者医療の専門家を育成することも目標としています。高齢者医療の現場は急性期病院、リハビリテーション病床、地域包括ケア病床、慢性期病床、在宅医療、福祉施設と多岐にわたり、どの現場でも高齢者のことを知りぬいた医師が必要とされています。そのため様々な医療の現場で対応できるような高齢者医療の専門家を養成したいと思います。また、今後老年医学・地域在宅医療分野の研究を通じて高齢社会に貢献したいと希望している方には、それに十分対応できる研究テーマを当教室は持っており、期待に添える研究を指導いたします。この名古屋は、国立長寿医療研究センターが近隣にあることで、地理的なメリットがあることも、当教室の特長と言えます。将来地域・在宅医療で高齢者医療を実践しようと考えている方、すでに他の診療科で臨床経験を積まれ、高齢者医療に対応できるスキルを身につけることを目的している方も、当教室で学ばれることを大いに歓迎いたします。高齢社会に広く貢献できる医師を世に送り出していくことは、私の使命であり、これから特に力を注いでゆきたいことでもあります。実際、研究室のメンバーも、徐々に増えてきました。ここにしかない老年医学を、ぜひ多くの方が学び、高齢社会をしっかり支える地域医療のリーダーとなっていただきたいと思います。
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